2008年06月17日

火事よりも早く出動してみた

「おもしろい」といっては語弊があるし、不謹慎でもあるのですが、消防団はやりがいがあるボランティアです。
私はさきごろ後継者の入団によって引退しましたが、現役のころのエピソードからのアップです。

皆さんは火災現場に遭遇されたことがありますか?
燃える火に立ち向かい、被害を最小限に食い止めるために消防署の皆さんと協力して消火活動に当たるのが消防団の役目です。

私も4半世紀を越えて団員として在籍し、多数の火災現場に出動しましたが、実は一度だけ、火事よりも早く出動したことがあります。
 

私は危険物や高圧ガスを扱っているため、常にサイレンの音に敏感で、仕事中でも迅速に火災現場に駆けつけていました。

消防署の職員や他の分団員から「いつも早いねえ」と言われるのが一つの自慢のような気分でした。

そんな私にとって、ショックだったのは消防団員による放火事件でした。
まさに火事よりも早く出動していた団員がいたわけです。
これにはさすがにかなわない、じゃなくて、非常に残念な出来事でした。

そんなある日、仕事で車を走らせていて、ふと眼をやった民家の軒先にかすかな煙が見えたような気がしてUターン。

車を降りてお宅をのぞいてみると、軒天の換気口からうっすらと煙が出ています。

急いで中に入るとおばあさんが出てきました。

「おばちゃん、大丈夫か?火事か?」

「じいさんが、じいさんが」

「中にいんのか?」

「火ぃつけた」

「え?自分でか?」

「石油かぶって火つけた」

焼身自殺のようです・・・・

あわてて玄関を開けると中から火が噴出してきました。

どう見てもおじいさんは無理そうで、中には入れません。

残念ながら被害を最小限に食い止めることしかできないと判断しました。

とりあえず玄関にあった灯油タンクを運び出し、台所の外にあったLPガスボンベを取り外しました。

おばあちゃんを安全なところに非難させ、近所の人に火事を知らせます。

携帯電話で119番通報して、消防署の到着を待ちます。

待つ時間の長いこと、そのうち消防署、各分団のポンプ車が集まってくれました。



火災は無事鎮火し、原因はおじいさんの焼身自殺ということでしたが、私が運び出したポリ缶の灯油を部屋に撒き、自分で火をつけたとの事。

通報者として事情聴取を受けましたが、原因もわかっているし、関係者はみな身内みたいなので気楽でした。

しかし、もし原因がはっきりしていなかったら疑われていたかもしれないと思います。

あまり早く行くのも良し悪し、とは言っても、引退した今でもつい現場急行してしまう野次馬オヤジです。


*写真は無関係です。また、今回の内容は「おもしろそうなこと」ではありませんので念のため。


Posted by 万城目 淳 at 15:23│Comments(1)
この記事へのコメント
私も“元”消防団員ですが、現役の頃は「生涯一筒先!!」を
宣言し、いつも現場の最前線で筒先を握っておりました。
しかし、常設よりも先に到着したことはありません。
テールトゥーノーズが1回だけです。

消防団員による、まさに“マッチポンプ”は結構あるみたいですね。
友部(現笠間市)のそれは一時話題になりましたっけ。
Posted by 代表ug at 2008年06月18日 08:18
 
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